
ダンスで一歩踏み出そう!
と少しずつ考え始めたのが2月。
きっかけは6月にある発表会のお知らせでした。
発表会と聞いて、最初に思った気持ちはシンプルに「面白そう!」
でも次に浮かんだのが、ダンスやってる事を誰にも言ってないからバレたらどうしよう。
それより、左腕の傷が出てしまう事に怖さがありました。
左腕の傷は1、2歳の頃に大やけどを負ってしまってできた傷。私は全く記憶がなく、この傷と共に生きてきました。
傷が痛むとか日常的に支障が出るといった問題はなく、それよりも思春期になり人の目や反応が気になってそちらの方が問題でした。
見た目問題。
小学校高学年の時に一度手術を受け、定期的に手術をしていく予定だったのですが、その手術が子供の私にはとても痛く恐ろしく感じてしまい1回の手術だけで継続しない事にしました。
もちろん1回の手術では期待した成果も得られず、手術の大きな縫合痕が増え、工事中みたいな状態で35年経過し今に至ります。
学生の頃はとにかく好きな人にバレたくないとか友達に引かれたくないとかそんな思いでいっぱいでした。隠すから逆に気になるんだと思って、あえてノースリーブを着てみたり。長い間、自分のちょうど良い落とし所を見つけるのに悩んでいました。
私はイギリスで大学生活を送りました。
初夏のある日、当時住んでいたフラットの大家さんと何気ないおしゃべりしていていました。ふと大家さんが半袖シャツを着ていた私の左腕を見て「そのケガどうしたの?」と聞きました。一部始終を話した私に大家さんは、
「不完全だからこそ人は輝く」
と言ったのです。
その時はあんまりピンとこず、いやそうは言っても傷がない綺麗な体の方がいいじゃんと思っていました。
それから20年以上経った今、大家さんの言葉が今になって心に響いています。
世の中もフラットで絵に描いたようなステレオタイプの美しさではなく、外見、ファッションやメイク、ジェンダー、性格などユニークであることに寛容になっていると思います。その流れもあって私も人と違って良いんだと年を重ねるごとに感じ方が変化しつつありました。
だからこそダンスとの出会いは、自分の思い込みを解放するチャンスなのかもしれません。最初は興味本位だったとはいえ、そもそもバーレスク自体最初から女性の体を強調するダンスや衣装と知って始めたたので、自分でも自分の体や女性らしさを肯定したかったんだと思います。
気がつくのに47年かかったけど、ダンスがそのきっかけをくれたことに感謝。
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